顧客06
タイトル上は、お客様の話のようですが、結論的には私の自画自賛の話になりそうな事を予告しておきます。(笑)
先日、木曜日の13時頃の事です。
商店街で乗られた80歳を過ぎていると思われるお婆ちゃんのお客様が自宅と思われる目的地を指示されました。
私のタクシー営業エリアは、横浜駅と新横浜駅の中間辺りを四方八方に巡回走行しているのですが、昼前後や夕方には買い物帰りの人をターゲットとして、特に各所の商店街を巡回しています。
商店街の周辺には古い住宅街が密集しておりまして、古い住宅街ですから道幅も狭く、また丘陵地帯でもありますので、重い買い物袋を持って、坂道を上がるのは若い人にとってもつらいことですが、特に高齢者にとっては想像以上に負担となるらしいのです。
網の目状になった狭い道路を右に左に指示されるままに走行していきます。
時には、2~3度、ハンドルを切り返さなければ通れない道もあったりで、そういう時に限って対向車があるものでして、素人の対向車には手招きで、「このようにすれば速くにすれ違えるよ!」などと、通常とは違う右側走行ですれ違ったりして、できるだけ停止状態が無いように努力しています。
特に対向車が女性の場合には、「バックするのも怖い」という思いで、停止したまま途方に暮れているドライバーもおられるのですが、こちらは仕事中ですし、お付き合いしている暇もないので、仕方なく指示する形になるのです。
さて、そんなこんなで、いよいよお婆ちゃんの家の近くに来ました。
客 「この街路樹が途切れた所で、右側に茶色い壁が見える家が私の家なの。その前で止めてくださいね。」
私 「はい、わかりました。。。あ、このおうちですね?」
客 「そうそう、そこでいいわ!おいくら?」
このような形で、無事に到着しました。
私は車を止める時に、右側の家もチラッと見たのですが、新築して何年も経ってないような新しい家でしたが、ドアが幾つも見えましたので、木造のアパートなのかな?」という感じの印象を持ちながら、お婆ちゃんが降りやすい場所に停車しました。
そして、料金をいただき、領収証をお渡ししながら、「お忘れ物無いようにお願いします。どうも、ありがとうございました!」と言い、後部座席の忘れ物が無い事を確認し、ドアを閉めると、乗務記録簿に記入し、お婆ちゃんが車の後ろの道路を横断するのを確認して、車を発車させました。
しばらく、走行して商店街の方へ戻っていくと、若い女性が手を挙げました。
腕にはバイオリンを抱えています。
正確に言うならばバイオリンではなく、バイオリンケースを抱えているのですが、20代後半の女性ですから、中身はやはりバイオリンと考えるのが妥当であり、ケースの中には分解式機関銃がセットされていると考えるのは映画の見過ぎというものでしょう。(笑)
乗車されるなり、彼女は最寄りの駅を指示され、私は出発しました。
すると彼女が驚いたように、「あら?お金が落ちてますよ!」と言いました。
私が「え?そうですか?」と受けますと、彼女は運転席側に手を伸ばして私の手のひらに入れてくれました。
お金は、硬貨2枚でして、10円玉1個と500円玉1個でした。
私はとっさに「あ!先ほどのお婆ちゃんですね。後ろで硬貨の音をさせてましたので、置いてっちゃったんですね。ご自宅が判ってますから、この後、お返ししておきます。」と言い、ほどなくして彼女を駅前で降ろしました。
今度は、そのまま先ほどのお婆ちゃんの家に向かったのですが、向かいながらも、先ほどの記憶ですとアパートのようでしたから、果たしてお婆ちゃんの家が何処の部屋であるのか判るか?が、不安でした。
判らなかったら、どうしようかと思いながら走行していたのですが、正直な話が、これが10円や20円でしたら、簡単に諦められるのですが、500円玉というのがネックですね。
しかも、落とし主がはっきりしているので、尚更、没収するわけにもいきません。(笑)
以前にあった事ですが、後部座席の足下に100円玉が1個落ちていた事がありました。
これを発見した時は、帰庫して洗車していた時でしたので、どのお客様が落としたのかも皆目判らずでして、申し訳ありませんが没収させていただきました。(笑)
私は、不要と言われる以外のお客様には必ず領収書をお渡ししてますし、領収書には私の車の番号の「577号車」という文字が記載されてますので、落とされたお客様から会社の方へ連絡が入れば、その時点で返却すれば良い事ですからね。
しかし、今回のように落とし主やお住まいが判っているのに返却する努力をしないのは犯罪行為でもありますので、とにかく、行くだけ行ってみようと思ったのです。
現場に到着すると、確かにアパートのようでしたが、右脇の一角が立派な門になっており、いわゆる建て主の自宅付きのアパートのようです。
これで、先ほどのお婆ちゃんが建て主の家族でしたなら、きっとおられる事と半ば安堵してインターホンを押しました。
インターホンに出られた女性は、「今、行きます!」と用件も聞かずに玄関から出て来られるようです。
玄関から、お婆ちゃんが怪訝な顔をして出てこられたのですが、実は、私も先ほどのお客様の顔をはっきりとは記憶してないのです。
お客様が乗ってこられる時には、後ろを振り返り、お客様の顔を見てご挨拶した後、行き先を確認してから出発するのですが、それも一瞬の出来事ですし、後は降車される時の挨拶時にも顔を見るのですが、正直な話が余程に特徴の有る顔でない限りは、記憶に留める事は無いのです。
乗車時や降車時も、どちらかと言えば、ドアの開閉時に足を挟んだりしないかを気にしてますので、顔を一瞬見た後は、挨拶をしながらもドアを閉めるタイミングを見るために、お客様の足下を見ています。
決して、ミニスカートだからとかではなく、(笑)真面目に見ているのです。。。だから、股間じゃなく、足下をね!
お年寄りに多いのですが、乗車されて後部座席に腰を落とされても、まだ足だけ外に残っているケースが多くあります。
足が自分の思いのように動いてくれないようでして、右足を車内に入れ、左足を入れようとするのですが、思うように上に上がらず、手で持ち上げるようにして中に入れる方もおられます。
お客様も乗務員の気持ちを察してか、「ごめんなさいね。足が悪くてすぐに乗れないのよ。」などと弁明されますので、私は、たとえ後続の車が渋滞していようとも、「大丈夫ですよ。ゆっくりで結構ですからね!」と言ってあげます。
ここで、十数秒焦ったところで意味ないのに、タクシーがドアを開けている状態が何をしてるのか判っているだろうに、心ないドライバーは後ろからクラクションを鳴らしたりします。
私も、そういう意味では神経も図太くなってきまして、クラクションを鳴らされても、お客様には「ゆっくりで大丈夫ですから!」と声を大きくして話しかけてあげます。(笑)
心ないドライバーって本当におります。
先日も、一方通行で歩道の無い、人が車道を多く歩いている商店街を、接触しないように、ゆっくりノロノロ運転で走行してましたら、前方から白い杖を持った盲目のハイティーンのお嬢さんと、そのお母さんらしい女性とが、ゆっくりこちらに向かって来たのに気がついたのですが、その直後、私の直前を走っていた一般車が、彼女らが歩くのを阻止するかのように車を左に寄せ、停めたのです。
その運転手は、何か買い物をする為に違法駐車したようでしたが、それ自体も違法行為ですが、何故、障害者の歩みを阻止するような状況で駐車したのか理解できない思いで、私ははらわたが煮えくり返る思いをしたのです。
自分の事しか考えない、その行動に、やりきれない思いでした。
また、話は違いますが、2ヶ月前位に、長振り袖のお嬢さんをお乗せした時の事です。
総絞りのような振り袖がとても長く、ドアを閉める前に私は意識して「ドアを閉めますが、振り袖の袂は大丈夫ですか?」と、確認しました。
彼女も、袖を引きながら「はい!大丈夫です。」と答えてくれましたので、私はドアを閉め、出発したのですが、しばらく走った所で、彼女が、「あら?袂が、挟まってるみたいです~!」
普段、着慣れてない振り袖を着た為に、彼女の予想以上に袂が長く、まだ引き上げが足りなかったようでした。
私は、会社の研修で、「染み抜きなどの弁償をさせられるケース」なども聞いておりましたので、慌ててドアを閉め直し、袂を抜いてもらったのですが、お客様が神経質で無かったので、事なきを得たのでした。
え~。。。話が横道に逸れましたので、元に戻します。(笑)
「あ、こんにちは!あの、先ほどタクシーに乗ってこられたお客様ですか?」と、私の第一声!
お婆ちゃんは意味が良く分からないようでして、「タクシーは頼んでませんよ。」と。
これは話が長くなりそうだとの思いを感じながら、「いえ、そうではなくてですね。私はタクシーの乗務員なのですが、先ほど、私のタクシーにお婆ちゃんは乗ってこられましたでしょうか?」
私は、話しながらも、なんだか可笑しくなってきました。こういう場合、なんという言い方をしたら理解できるのか、お客様が若い女性ならば、私の顔を忘れるはずは無いのでしょうにね?(笑)
そのうちに、お婆ちゃんは言いました。「私は、今、タクシーに乗って帰ってきたばかりなんですよ。」
「それです!そのタクシーを私が運転してたのです!」私は、ようやく話の糸口がつかめた思いで、一気に話しかけました。
「お婆ちゃんが降りられた後に、後ろの座席に、このお金が落ちていたのですが、これ、お婆ちゃんのお金ではありませんか」と言い、510円のお金を見せると、ようやくお婆ちゃんは理解してくれたようで、「ああ、私、お金を数えるのに、座席の上に出したから、忘れちゃったのね?」
私は一件落着した思いで、お婆ちゃんにお金を渡すと、「それでは失礼します!」と、一礼して車に戻りました。
お婆ちゃんは、笑顔でしたが、まだボウッとした感じで見送っておりましたが、私としては、無事返却することができてホッとしたのでした。
転職前の仕事とまるっきり違う事が多く、戸惑いも多く生じています。
一日に一人くらいの割合で、1万円札を出されるお客様がおられます。
数千円の乗車料金でしたら仕方ないのですが、だいたいが初乗り料金の710円でです。
それも、朝の通勤時間帯に多く、お客様も私の方も忙しいさなかです。
乗務員になりたての頃は、まず9000円の札を数えてから、お客様に渡し、「ご確認願います!」と言っていたのですが、会社の研修で、会社に電話がかかってきて、釣り銭が1000円足りなかったと言ってくるケースがあるので、お客様の目の前で数えるように!と、乗務員に指導があってからは、自分で数えてから、手を高く上げて、もう一度、声を出しながら、「1.2.3.4.5.6.7.8.9!まず、9000円のお返しです。」と手渡してから、残りの290円を硬貨でお返しする遣り方をしています。
会社の方でも、そうした電話に対しては、「申し訳ございませんが、お客様は降車時に了解して釣り銭を受け取られたと思いますので、改めての返却には応じかねます。」と答えているようですが、乗務員に対しては、このような電話が来ないようにしてもらいたいとの事でした。
今は、稀にみる不況の中ですから、タクシー強盗などの事件も留まる事がないのですが、最近、飛鳥グループ管内で多発している「タクシー釣り銭詐欺」に、迎車依頼による釣り銭泥棒というのがあります。
タクシーの迎車依頼というのは、自宅など、自分の居る場所にタクシーに来てもらい、目的地まで乗って行くという方法でして、迎車料金300円が乗車料金にプラスされるのですが、自宅などからタクシーを拾える場所まで歩くのが面倒だとか、病人や体調不良の方が病院に行く為とか、豪雨で濡れるのがいやだからなどの理由で、迎車依頼するのです。
依頼を受けた会社の無線室では、GPSによりコンピューターが依頼者の場所に一番近いタクシーから順次呼び出していき、最初に呼び出された乗務員が「了解」ボタンを押せば、無線機の画面に表示された住所を頼りに、速やかに向かうというシステムで、お客様の待ち時間も短時間で済みますので、タクシーを拾う手間を考えたら300円も安いというものです。
無線配車を受けるかどうかは、乗務員側からも登録制で優先順位が決まるので、私も朝の点呼の時に、無線配車表に登録しております。
無線配車のお客様は長距離が出る事が多いので、営業収益の増加にも大きな影響を受けます。
ところが、これを悪用する者が出てきたのです。
その手口としては、会社に迎車依頼をします。
「○○マンションの○○号室の○○と申しますが、到着したら、マンション入り口のインターホンで呼び出してください」というものです。
通常、電話を受けると、相手の電話番号が会社のモニターに映し出されるのですが、当然のごとく、「非通知」になってます。そして、常連客ではなく、初めてのお客様。
この迎車依頼を受け、無線配車されたタクシーが行き、マンションのインターホンを鳴らしても、お客様は不在であったり、迎車依頼してないと断られてしまいます。
タクシー乗務員は不審に思いながらタクシーに戻ると、釣り銭が全て無くなっているという泥棒の手口です。
ひどいですよね。
釣り銭は、乗務員の個人負担金です。
賃金も安いのに、その上、釣り銭まで持って行かれたのではどうしようもないですね。
対処法としては、車から降りる時は、釣り銭も持参するとか、エンジンを切って鍵をかけるとかしか無いのですが、迎車の場合は、玄関先に車を着けると、後部座席の外に立ち、ドアサービスするのが基本ですから、いちいち鍵をかけたり開けたりするのも、面倒ではあります。
ここで言うのも変ですが、低賃金タクシー乗務員の釣り銭を狙うのは、どうか勘弁してもらいたいです。
さて、最後になりましたが、先週月曜日から実行してます「平日の晩酌を止める」プロジェクトですが、金曜日まで、無事遂行できまして、結果も良好であります。
寝酒を飲む時間が早いので、意識がはっきりしている時間も短いのですが(笑)、それでも、今までと違って、2時間以上は本を読んだり、色々な事ができますので、今後も続けて行こうと思っております。
酒量も、「晩酌をして寝酒までする」今までの量に比べますと、約半分で済んでます。(寝酒が多過ぎだ!(笑))
おかげさまで、「自己嫌悪」のタイトルの時に比べますと、だいぶ元気も出てきましたので、また明日から頑張ろうと、今は思っております。
皆様におかれましては、いつも励ましていただきまして、本当に、ありがとうございます!
これからも、よろしくお願いいたします。。。ね?(笑)




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